好きな映画を自分勝手に紹介します。 コメント欄でネタバレをする事があるので御注意下さい。
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ、シリル・キューサック、アントン・ディフリング、ビー・ダッフェル、他
(1966年イギリス)


SF映画が大っ嫌いなトリュフォーが監督したSF映画として有名です。
…というわけで、雰囲気はバリバリSFチックではなく、人間模様が主体の仕様になっております。

『読書は反社会的』

まあ確かに、平和な国のテレビ放送で反社会分子が堂々と演説をするなんてのは不可能ですよね。
本っていうのは読むだけで、その時代背景、その国、その思想の様々な情報を仕入れることが可能です。
更には隣の人が読んでいる本の内容など、覗き込んで暫く盗み読みしない限り分かりません。
…もしかしたら反社会的な恐ろしい本を読んでいるかもしれません。

そこで国は、人々から本を取り上げ燃やしてしまう手段に出ました。
ちなみに451とは『451℃』。
本が自然発火する温度を示してます。

テレビだけの情報ってのは、どれも皆同じで何も面白くない。
思想も何もなく、一般的な情報のみを垂れ流すだけ…。
やはり人は本を読めないストレスを感じてくるのです。

本が無い世界でのテレビ放送、本を隠し持つ人々、それを取り締まるファイヤーマン。
なかなか独自な滑稽加減なんですが、何故か全体的にどんよりしたムードが漂う作品です。

俺は『もしもシリーズ』的な内容が好物なんですが、この作品も大のお気に入りの一つです。
監督:ジョエル・コーエン
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、フランシス・マクドーマンド、マイケル・バダルッコ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、キャサリン・ボロウィッツ、他
(2001年アメリカ)



コーエン兄弟のスタイリッシュな作品です。

女房の兄が経営する床屋に雇われてる冴えない男が主人公です。
…この主人公、ホントに冴えてません。
極端に無口で表情は仏頂面、まるで他人と断絶してるような男です。
ただひたすら客の頭を刈るのみの毎日…。
女房が勤め先のオーナーと浮気してようと気にしない…というか、面倒なことに関わらない主義なんでしょうな。

…そんな男に、ひょんな時にベンチャービジネスの話が舞い込みます。
しかし、それをやるには投資が必要。
男は、女房の浮気相手に脅迫状を出し金を手に入れようとします。

どうせ浮気相手は金持ちだし、多少の出費は痛くもないはず。
冴えない男の、ほんのイタズラ心って感じです。

しかし、そこから流れはとんでもない方向に…!

面倒に関わらない人生を送ってきた男が次から次へと余分なことをしなきゃならなくなり、自らも余計な方向に進んで行き、最終的には悲惨な結果に…。

しかしラストで、男は満足しきった笑みを浮かべます。
少しの間でも冴えない日常から脱せた事が嬉しかったのかもしれません。
監督:マイク・リー
出演:ブレンダ・ブレッシン、ティモシー・スポール、マリアンヌ・ジャン・バプティスト、他
(1996年イギリス)


姉と子、その子の恋人、そしてもう1人の子。
弟と、その妻。

姉は幼少の頃から弟の為に稼ぎ、ろくな人生を送っていません。
父無し子が何人いるかも分からない荒れた人生を暮らしてきたけど、1人の娘と弟を愛して止まない。
そんな娘は母に反抗的で家では笑顔を見せたことがない。
弟は仕事が多忙な上に妻が異常なヒステリーで、姉に会う暇もない。
…しかし、妻のヒステリーには理由があるのです。
そんな日常の中、ある女性が母親を探し当てて姉とのコンタクト求めてきます。

決して平穏無事ではない家族の歴史…。
そんな家族だからこそ絆を深めたいところ。
…でも、互いに警戒するばかりに秘密と嘘で固められてるのです。

ひょんな事から、その全ての秘密と嘘が明かされます。
…すると、張り詰めていた空気が緩やかに解き放たれて、一気に居心地の良い日常に変化します。

監督は舞台出身のマイク・リー。
ビジュアルを飾る事なく、リアルで生々しい場面が続きます。
それだけに素直な感動を呼ぶ一品。

「人生って良いね」「そうね」

このラストの姉のセリフは、今まで観た作品の中でも上位に値します。
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ、バリー・ペッパー、アダム・ゴールドバーグ、 マット・デイモン、他
(1998年アメリカ)


上質のヒューマンドラマではありますが、何せ戦争アクションのシーンが凄まじい!
全てハンドカメラでの撮影らしく、めっちゃリアルです。

息子4人が兵士として戦争に行き、その全員が死んだとなれば…家族の悲しみはもとより、その絶望感は想像を絶するでしょうね。
…で、この話の中では『ライアン』という兄弟が3名戦死。
その死亡通知を送らなければならない米軍首脳部は考えました。
生き残った末っ子のライアンを探し出し、故郷に帰そう…と。

しかし戦場のあっちこっちに散っている兵士の中から、たった一人を探し出すのは至難の業です。
…そこで、オマハビーチでの厳しい戦闘を乗り切った、優れた大尉にその指令が下ります。
その大尉は元教師。
絶対服従の真面目な人物で、更に部下をまとめるのも上手い。

しかし指令が指令だけに、さすがの大尉も苦労しながら部下を従わせ、命懸けの人探しをします。
その部下も、1人、2人、と命を落としていきます。
指令に矛盾を感じ、ライアンに怒りまで抱きつつも、使命を果たす…。

そんな葛藤を表現しながら確実な反戦を訴えてるように思います。

監督:リチャード・アッテンボロー
出演:ロバート・ダウニーJr.、ジェラルディン・チャップリン、ダン・エイクロイド、モイラ・ケリー、アンソニー・ホプキンス、他
(1992年アメリカ)


チャップリンの未亡人ウーナが、アッテンボロー監督の『ガンジー』を気に入り何度も観たらしく、そんな経緯から実現した伝記映画です。

昔の文化人というのは、今では想像を絶する不自由さと戦いつつ苦労してたんですね~。
それは映画に限らず、歌や演劇についても同様に思います。

このチャップリンにしても、アメリカで大成功しますが結局は国外追放となってしまいます。
ファシズムに反発し、それを作品にして発表した為に、FBIは政治的危険人物と判断…。
いわゆる『アカ刈り』の対象にされてしまったのです。

この映画を観てると、作品を作るのも命懸けだったんだなぁ~…と。
それだけに一つ一つ真剣に取り組んだんでしょうね。

舞台芸人から映画スターへ…パントマイムからトーキーへ…。
まさに生々しい歴史を観ることができます。
監督:ケン・ラッセル
出演:ロジャー・ダルトリー、アン・マーグレット、オリバー・リード、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナー、ジャック・ニコルソン、キース・ムーン、ロバート・パウエル、他
(1975年イギリス)


ザ・フーのロック・オペラ『トミー』の完全映画化…と言っても、ピート・タウンゼントがケン・ラッセルに頼んで頼んで頼み込んで、ようやく引き受けてもらったというシロモノです(笑)
そりゃそうですよ…ケン・ラッセルは当時、大のクラシック音楽愛好家。
ロックなんて大嫌いだったんですからねぇ…(苦笑)

さてさて、そうした経緯の中、ラッセル監督は丸1年掛かりで脚本を完成。
製作日数1年、制作費800万ドル…全編が歌で構成されるミュージカルに超豪華なスター達。
金持ってんどぉぉ~!

内容は悲壮的なんですが、何たってロック・オペラで監督がラッセルですから、ひじょ~にカラフルな視的効果も充実。
そしてもちろん音楽も十分に楽しめる作品となっております。
元のアルバムが良いので当然ってば当然かな。

特筆するなら、ピンボールの魔術師『エルトン・ジョン』。
最高に『らしさ』が出ていて良いですっ♪

内容を意識し過ぎると憂鬱になので、出来るだけ『音楽と映像を楽しむ』に没頭すると良いかと思います。
監督:市川準
出演:役所広司、根津甚八、真田広之、他
(1998年日本)


かな~りブラックなコメディーです。

この映画は全く別の2人の男のオカシな行動を追います。
どちらにも共通するのは、最終的にキレちゃう…いや、イカレちゃうという感じでしょうか?
とにかく2人とも、心の底に何かしらの不満を抱いてるようです。

しかし、完全にイカレてる2人の行動を観てると…何となくですが、理解できる気持ちになるのが不思議なんです。
人間って、どこかにこんな感情があるんでしょうか?

2人の怒り衝動は、直接的に受けたものから起きているわけではなく、妄想や気分からのものです。
おいおい、フツーは辛抱出来るだろ?…って事で、極端な行動に出ます。
しかし、こんなほんの小さな事でも、根底にあった不満と重なると爆発するのもアリかもね…てな感じ。

ちょっとドラッグムービーっぽい感覚なのも魅力の1本です。
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演:ヴィッキー・パパヴス、他
(1996年カナダ)


あの話題になった映画『キューブ』の監督、ヴィンチェンゾ・ナタリの、上映時間たった20分の小品です。
…しかしナメたもんじゃないですよ、ええ。
その20分間、映画に釘付けですっ。

何故にこの映画を観る機会があったかというと、キューブのDVDにオマケで入ってたんです。
…なので、キューブももちろん観ました。
しかし個人的に、このELEVATEDの方が好みです。

どうやらこの監督は、ホラー要素の他に人間の意外性にポイントを置くのが好きなようで…。
キューブもそうですが『人間の正体は最後まで分からない』という流れを持ってます。
そして、話の大筋や原因となる物の正体は全く明かさず仕舞い。

大概、どっかのエレベーターに偶然乗り合わせる人って初対面ですよね。
…で、特に会話を交わすわけでもないので、どんな人なのか分からない。
人ってのはそうなると、後は見掛けで判断してしまいます。

何か恐ろしい事が起こっている…でも、自分以外は知らない人ばかり…。
よくよく考えてみると、もの凄く怖いですよね~。

監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:W・G・マクミラン、レイン・キャロル、ハロルド・ウェイン・ジョーンズ、リチャード・リバティー、他
(1973年アメリカ)


ロメロ監督の、ゾンビものじゃないSFパニック映画です。

軍用機の墜落事故によって平和な町に細菌が放出されてしまいます。
それは軍の極秘細菌で、人を狂乱させる症状を勃発させるもの。

…で、米政府は事態を強引に制御すべく、兵隊(白装束)を放ちます。

何せ相手はゾンビではなく『菌に侵された人』で、外見的に症状が見えないだけに区別が困難です。
唯一の症状が『狂乱とパニック』なんですが、こんな状況下になれば健康な人間だって狂乱し、パニック状態になりますから…。

わざとらしい演出を排除し、あくまでもドキュメントタッチで進行。
それだけに、有り得ない設定なのに現実味を感じさせます。

ホラー映画とは、また異質の怖さです。
監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
出演:ジェニファー・ティリー、ジーナ・ガーション、ジョー・パントリアーノ、ジョン・P・ライアン、クリストファー・メローニ、他
(1996年アメリカ)


話の筋は、単純なんです。
マフィアの金を盗んで殺されそうになって…という具合。
よくあるネタですよね。

…ただ、この作品の設定は少々異色です。

あるマフィア組織員の情婦と、盗みのプロの女が知り合い、愛し合ってしまいます。
所謂レズビアンの関係、って事ですね。
…で、女2人が共謀してマフィアの金を盗み出そうと計画します。

そのマフィア組織ってのがまた、冷血で人なんて簡単に殺してしまうような連中です。
組織員ごときがボスに逆らおうとしたら、まず命はない…。

…で、『よくある設定』で言えば、その情婦と若い男が…ってやつですよね。
しかしこの映画の相手は、若い女です。
それだけに、かなり流れが違ってきます。

疑われたり、誤魔化したりするシチュエーションも、対男と対女では違いますよね。
組織員の男が、まさか自分の情婦が若い女と恋をして駆け落ちしようとしてるなんて見当はつきません。
そこがこの作品の面白いところなんです。

画面の中で簡単に人を殺すマフィア組織も怖いですが、何せこの女2人がそれ以上に怖い!(笑)
男ってバカだよなぁ~…と、感じさせられる作品です。

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