忍者ブログ
好きな映画を自分勝手に紹介します。 コメント欄でネタバレをする事があるので御注意下さい。
[1] [2]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

監督:ジョン・ヒューストン
出演:アンジェリカ・ヒューストン、ドナル・マッキャン、レイチェル・ドウリング、キャスリーン・ディレイニー、ヘレナ・キャロル、他
(1987年アメリカ)


歴史的名監督、ジョン・ヒューストンの遺作であります。
まさに病床状態で、酸素マスクやら点滴やら用意しつつの撮影だったそうで…そしてテーマが『死』という。

原作はジェームズ・ジョイスで、短編集『ダブリン市民』の『死せる人々』との事ですが、残念ながら本は読んだことがありません…。
けっこう忠実に映画化してるようです。

映画はパーティーのシーンから始まるのですが、何てことなく穏やかで楽しい雰囲気が続きます。
しかし途中で話題が一変…とは言っても、決して大騒ぎになるような事態ではなく、ちょっと疑問を感じたり、不信感を持ったり…。

人間というのは、沢山の疑問を感じながら死んでいく…。
その疑問の中には、知らずに後悔するようなこともあれば、知らなくて良かったこともあります。
そして誰が死のうが、世の中にとってはいつもの日常が過ぎるだけ…。

テーマは重いのですが、何やら長閑な気分になる不思議な作品です。

PR
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ、サンドラ・ミーロ、バーバラ・スティール、他
(1963年イタリア)


仕事をやってて嫌な事って数限りなくあると思いますが、何たって嫌なのは『せかされる事』でしょうね。
少なくとも俺はそうです。
特に、一から何かを作り出さなければならない人間が、何も思いつかない時に急かされるプレッシャーたるや想像を絶するものでしょう。

そんな時、ふと現実逃避をして空想してみる。
「あれ?…これって新しいアイデアになるかも…。」
そしてどんどん空想の世界に入り込もうとすると、誰かか現実的な話を持ち込み邪魔をする。

「アンタ何やってんの?ボ~っとして!」
「いやいや…皆、揉めないで、楽しくやろうよ。」
「楽しくって…その原因を作ってるのはアンタでしょーに!」
「そう言わずに、ちょっと考え方を変えてみなよ。楽しいからサ。」
「アンタは暢気に楽しんでる暇なんてないの!」

周囲はいつもイライラ、トゲトゲ…。
でも、本当に一番ストレスを溜めてるのは、その周囲に責め立てられている本人なんですよね…。

そんな悩める主人公を中心に、世紀の名監督フェリーニが自由な発想で描いた名作でございます。

これは見といて損はないでしょう。
映画という娯楽の根本がここにあります。

監督:デヴィッド・リンチ
出演:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン、他
(1999年アメリカ・フランス)


世界中、どこに行っても頑固爺さんってのはいるもので…。

どうも年を取ると「昔の自分なら…」と考えてしまうが為に、今の自分を省みず無茶してしまうようです。
事実、この作品の主人公であるストレイト爺さんは言います。

「年取って何が最悪かって…若い頃を覚えてることさ」

過去に喧嘩別れして音信不通にしていた兄が心臓発作で倒れた知らせを受けたストレイトは、自分の住む町から350マイルも離れた兄に会いに行きます。
しかし、運転免許もなく、足腰が不自由なのでバスにも乗れない…全くの個人的な事情なので誰の世話にもなりたくない…。

そこで選んだ乗り物は“草刈機”。

そして時速5マイルのスピードでの長旅は、極上のロードムービーを生みました。
非常にゆったりとしたスピードを、のんびりと楽しんでみては如何でしょうか?
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:リュディガー・フォーグラー、ハンナ・シグラ、ハンス・クリスティ、アン・ブレヒ、ナスターシャ・キンスキー、リザ・クロイツァー、他
(1975年西ドイツ)


数年前、テレビに出ていた誰かが「最近の若者は“自分探し”なんて事を言って旅に出るが、そんなもの探したって見つかるわけがない。旅ってのは“自分を捨てに”行くものだ。」…と言ってました。
それを聞いて俺は何となく納得したんです。

何故に納得出来たのか?

…で、後で気付いたんです。
「あーそうか、ヴェンダースの“まわり道”を見たからだ…。」と。

本当の自分が何なのか?…なんて事を考えてると、どんどん自意識過剰になるばかりで他人が見えなくなり、そのうち全てを否定したくなる。
この作品の主人公である青年が、それを教えてくれたんです。

まあ肯否両論あると思いますが…俺は納得しましたよ、ええ。
監督:ミシェル・ドヴィル
出演:ミュウ・ミュウ、マリア・カザレス、クリスチャン・リュッシュ、他
(1989年フランス)


俺はあまり読書をする方ではないんですが、この映画のように、美しい女性に朗読してもらえるなら嬉しいかもしれません(笑)

事の始まりは、妻が夫に“読書する女”という本を読んで聞かせるシーン。
そして映画は突如として、その本の中の世界に入ります。
内容はまさに“読書する女”…というか“読書を助ける仕事をする事”…ってんでしょうか、客に本を朗読してあげる女性の話になります。
そのお客というのが、これまた個性的なキャラクターが揃っていて楽しいんです。
ただ朗読をさせるだけではなく、常にオカシな事を要求します。
…で、朗読する側の女性もアッケラカンとしたもので、さほど悩みもせず“朗読の為”と、ある程度の要求に応えます。
さすがフランス…と思えるような、日本人にはない感覚が漂う内容なんですが、何せ主人公も他の人々もどこか可愛らしく、好感が持てます。

この映画を深く見て考えさせられるのか、単に楽しく見て癒されるのか…まあ自由に受け取れる作品なんですが、俺としては“読書かぁ…してみるかなぁ~”と、不覚にも思ってしまった(笑)作品です。


(※この作品現在DVD化されてないようで入手は困難なようです)
監督:ケン・ラッセル
出演:グレンダ・ジャクソン、ストラトフォード・ジョーンズ、ニコラス・グレイス、イモージェン・ミラ・スコット、ダグラス・ホッジ、他
(1987年アメリカ)


ヴィクトリア朝時代、イギリス文学作家のオスカー・ワイルドは戯曲“サロメ”を発表したのですが、スキャンダラスな内容のために上演禁止処分を受けてしまいます。
そこで、ワイルドを励ます為に仲間達が立ち上がり、男娼館でひっそりと上演する…という設定です。

場末の館で行なう舞台なので、当然出演者は寄せ集め。
せいぜいヘロデヤ王妃役がワイルドの友人であるプロの女優ってぐらいなもので、あとは館の主人から使用人、ワイルドの恋人等で構成された配役です。
そして何と戯曲中の主役であるサロメ役が、使用人の中でも一番地味なメイドの女の子…という具合。

…ところが!
戯曲が始まると状況は一変…という展開です。
見てるうちに「あれぇ?」「…で、どうなる?」「うわっ。」…ってな具合に、どんどん映画に吸い込まれていきます。
絶対に面白いのは確かなんですが、何とも不思議な作品です(笑)

そして劇中の“7枚のベールの踊り”をよ~く見ていてください。
素敵ないたずらに気が付くはずです…。
監督:黒澤明
出演:志村喬、金子信雄、伊藤雄之助、小田切みき、中村伸郎、他
(1952年日本)


紹介するまでもないような、余りに有名な作品ですよね。

映画は1枚のレントゲン写真から始まります。
そして、見ている我々は、この物語の主人公が癌である事を知ります。
主人公は市役所の、ただただ確認印を押す毎日を過ごす市民課長。

人は、自分が癌で数ヶ月の命と知ったら、どんな行動をするのか…。
余計な事はするまいと、役所の中で影を潜めて生活していた管理職員が突然、夜の街で豪遊したり、若い女性とデートしたり…。
そりゃあ残り少ない命なのだから、やりたい事をやり、癌の事など忘れる為にも精一杯楽しみたいはずです。
…そして最後の最後に主人公は、本当にやり残した事をやり遂げます。

…主人公の最後の遺業を、当人の通夜の晩に、他の職員達が語るという効果的な演出…そして何といっても名優、志村喬の迫真の演技…。
一つ一つのシーンが脳裏に残る名作です。
見終わって暫くは“ゴンドラの歌”が耳から離れません…。
監督:ピエロ・パオロ・パゾリーニ
出演:フランコ・チッティ、フランカ・パスット、他
(1961年イタリア)


いわゆる“ヒモ”と言われる最低の男の短い生涯の最も最悪な部分を描いた作品です。

そもそも舞台はイタリアのスラム街(ポルガータ)を想定し、そこに住む不良達(ラガッツィ・ディ・ヴィータ)がモデルになっているものと思われます。
しかしこの主人公は、そんな環境の中でも仲間から“乞食”と呼ばれるような男なんです。
当然の顔をして彼女に食わせて貰い、その彼女がいなくなったら恥も外聞もなく元女房の下へ行き、それも駄目なら次の女を捜す…って具合です。

自分では何も努力をしない男なのだから物事が上手くいかないのが当然の報いなのですが、何故か見てるうちに、主人公に慈悲の気持ちを抱いてしまう自分がいます。
何とも不思議で仕方ないんですが、これがパゾリーニ・マジックなのかな?…と(笑)
そして随所で流れるJ・S・バッハの音楽が哀愁を呼ぶのかもしれません…。
何せ、最期まで救われない最低男の切ない話でございます。

ちなみにこの作品は、映画のド素人であったパゾリーニの初監督作品であり、ベルナルド・ベルトリッチが助監督を務めています。
監督:ゲイリー・ウォルコウ
出演:トム・ビラード、スーザン・デイ、エレイン・ジフトス、エリザベス・ゴーシイ他
(1987年アメリカ)


“ブレード・ランナー”や“トータル・リコール”の原作者、フィリップ・K・ディック(~1982)をモデルに作られたという作品です。

衝撃的ヒット作でデビューを果たしたディックは、何故かその後全くヒットに恵まれず、スランプに陥っていました。
そんなある日、古い友人に「生活環境を変えてみては?」とルームシェアに誘われます。
友人と他のルームメイトが住む新たな生活の場で、ディックは、出版社に指示された不本意な内容の作品を仕方なく書き始めるのですが…勝手気ままなルームメイトに振り回され、友人には冷たくされ、ディックはどんどん壊れていきます…。

パッとしないキャラクターのディックとルームメイト達とのオカシな関係が出筆中のディックの小説に反映されて随所に突如としてSFシーンがハメ込まれる、という映画の流れが、SF映画ではないのにSFの世界にいるような、不思議な印象を与えてくれます。

(残念ながら現在、DVDやビデオでの入手は困難なようです…)
監督・出演:アレハンドロ・ホドロフスキー
(1970年アメリカ=メキシコ)
エルトポ

好きな人は大好き、嫌いな人は大嫌い…という、所謂カルト映画です。

初興行時には配給会社に尽く蹴られ、結局は場末のミニシアターでの上映だったらしいんですが、そこにミック・ジャガー、アンディー・ウォーホル、ジョン・レノン夫妻等が足を運んでいて、興行を続ける為にジョン・レノンが興行権を高額で買い取ったらしいです。
そしてその後に“もしフェリーニが西部劇を、クロサワがキリスト映画を撮ったらこうなったであろう”と絶賛される事になります。
国内では寺山修二氏が絶賛し、広めたらしいですね。

この内容を文章で表現するのは非常に困難なのですが、ネタバレを避けたいだけに調度良いかな…と(笑)
簡単に言えば、冷酷で卑怯な主人公が人として変化していく様が窺える作品…って感じ。
残酷なシーンやフリークスの出演等、キッチュ感覚満点で、どうしてもそっち系が目立ってしまうんですが、実はその真意は深いものがあり、色々と考えさせられる内容です。

見た事がなくて、興味のある方は是非。
ただ、見た後気分がどうなるかは保障し兼ねますが…(笑)
最新コメント
[07/31 盆造(´ー`)y━・~~~]
[07/22 どん兵衛]
[05/02 盆造(´ー`)y━・~~~]
[05/01 stella]
[04/23 盆造(´ー`)y━・~~~]
最新トラックバック
Template by MY HEALING ☆彡
忍者ブログ [PR]